1on1を導入したものの、「何を話せばいいかわからない」「毎回同じ話になる」「部下が本音を言ってくれない」という声をよく聞きます。これは管理職の能力の問題ではなく、問いの設計の問題です。どんな問いを、どの順番で投げかけるかを事前に考えておくだけで、1on1の質は大きく変わります。

1on1の目的を「報告の場」にしない

多くの管理職が1on1を「業務の進捗確認」に使っています。しかし、進捗確認は別の会議でできます。1on1の本来の目的は、部下が「今、何に詰まっているか」「何を迷っているか」を安全に話せる場を作ることです。この目的を管理職と部下の両方が理解していないと、1on1は形式的な報告会になります。最初の1on1で、「この時間は何のためにあるか」を一緒に確認することから始めてください。

使いやすい問いの3つのカテゴリー

問いは大きく3つに分けて考えると設計しやすいです。一つ目は「現状確認」の問い(「今週、一番時間を使ったことは何ですか?」)。二つ目は「感情・状態」の問い(「今の仕事の中で、一番やりがいを感じているのはどの部分ですか?」)。三つ目は「未来・意図」の問い(「来月、自分で決めてやってみたいことはありますか?」)。毎回この3つを一つずつ使うだけで、会話の幅が広がります。

記録の取り方が継続のカギになる

1on1を続けるためには、記録が必要です。記録がないと、前回何を話したかを忘れ、毎回同じ話になります。記録は詳細でなくていいです。「今週の詰まり:Aプロジェクトの承認待ち」「来週確認すること:Bさんの判断軸について」程度のメモで十分です。このメモを次回の1on1の冒頭で見返すだけで、「前回の続き」から始められます。管理職のための1on1設計ガイドでは、このメモの取り方を具体的なフォーマットで紹介しています。

本音が出ない1on1を変えるには時間がかかる

「部下が本音を言ってくれない」という悩みは、1on1を始めてすぐに解決するものではありません。信頼関係は、複数回の積み重ねで生まれます。最初の3回は、管理職が「この場は安全だ」と示す期間だと思ってください。部下の発言を否定しない、アドバイスより先に聞く、話した内容を他の場で使わない。この3つを守り続けることが、本音が出る場を作る基本です。

1on1は、正しく設計すれば管理職にとっても部下にとっても有益な時間になります。まずは一つの問いを変えることから始めてみてください。具体的なサポートが必要な方は、まずは話してみるページからご連絡ください。